• 再開発,  手順,  発意,  第一種再開発

    再開発7/発意-3(足立区北千住)


    ざっと市街地再開発の進み方

    • 1. 「誰が」が再開発をしたいと思う
    • 2. 近隣住民、地権者たちが勉強会、協議会結成
    • 3. 準備組合結成
    • 4. 都市計画決定
    • 5. 組合結成
    • 6. 権利変換
    • 7. 住民が立退き、引越し
    • 8. 更地へ
    • 9. 工事着工
    • 10. 竣工
    • 11.地権者が新マンションへ戻る
    • 12. 増床部分を分譲販売、商業利用者への契約

    1. 「誰が」が再開発をしたいと思う

     主役はその地に住む「地権者、住民」。
    以上。
     しかしながら現実はどうもそうはなっていない事例があるみたいだ。


    と書いた。
    杉並区阿佐ヶ谷駅前再開発、高円寺の再開発反対運動をお伝えした。
    今回は「足立区北千住」を取り上げる。

        足立区北千住の場合

    北千住を取り上げるのは『北千住東口地区再開発を考える会』というサイトの存在を知ったからだ。

    足立区が「北千住駅東口周辺地区まちづくり構想の見直し」のアンケートを実施(平成30年10月14,16日)の結果を4月3日に発表。

    北千住東口地区再開発を考える会より

    掲載されている足立区ホームページで結果をチェック。
    <住民アンケート調査結果>の箇所から抜粋、

    まちづくり構想策定後(平成20年度東口地区、平成21年度千住旭町及び周辺地区)の変化を踏まえ、まちの長所と課題、まちづくりに望むこと等を調べるため、以下対象のみなさまには、郵送でアンケート調査を行いました。

    足立区ホームページより

    ・実施期間 平成30年11月中旬ごろから平成30年12月末
    ・調査対象 
    1/まちづくり構想対象地域内にお住まいの方 4,000人
     発送数 4,000通 / 有効回答数 1,289通 / 回答率 約32%
    2/まちづくり構想対象地域外で区内にお住まいの方 2,000人
     発送数 2,000通 / 有効回答数 601通 / 回答数 約30%

    回答率、少な!

    • 7割の人がアンケートに答えていないのか?
    • そもそも「お住いの方」は賃貸の住民も含むので、本来は「地権者」が対象となるべきじゃない?
    • 賃貸でもずっと住んでいる住民の方の意見を聞く必要はあるけれど、「地権者」がどれほど含まれているのか不明。
    • 「有効回答数」というが「アンケートに答えた」のに「無効」とされた回答があったということか。その線引きはなんだろう?
    • ⒉「まちづくり構想対象地域外で区内にお住まいの方」は意味不明。隣町の人に意見を聞くことも悪くはないだろうけれど、「地権者」「住民」とは自ずと発言の意識、責任が異なるのじゃないだろうか。
    • その両者を足して1,800通としているのは雑
    • 「地権者」「住民」「区内」ときちっと区分けして分析すべきだろう
    • 結果分析を見ても「前向き」な少数意見をやたらと棒グラフで高く見せているような印象がある

     と、他区の人間がいちいちいちゃもんをつけても仕方がないのだけれども。

    さて、『北千住東口地区再開発を考える会』によれば、
    北千住駅の東口に、
    北側(足立学園側)>
     北千住駅前地区市街地再開発準備組合
    南側(電機大学側)>
     北千住駅東口地区市街地再開発準備組合
    と2つの準備組合が結成されている。
    準備組合とは冒頭の表を見て頂けたら分かるように第3段階。
    次はいよいよ「都市計画決定」という法的裁断がなされる手前。
    この準備組合結成段階で、
    北側(足立学園側)>
     北千住駅前地区市街地再開発準備組合には、
    三井不動産、トーショー・ホールディングス、大成建設
    南側(電機大学側)>
     北千住駅東口地区市街地再開発準備組合には、
    住友不動産
    と既にゼネコンが名を連ねてる。

     やや先走って書くが、
    1。地権者、住民が再開発を発意し、
    2。勉強会、協議会を結成し、「再開発へ前向きな場合」
    3。準備組合結成
     という段取りで進むのが通常のはず。
    もちろん、途中段階で法律的、建築的そのほか様々な関連事項は素人住民にはわからないから各分野の専門家の意見を聞くことになるだろう。
     それが勉強会である。
    しかしあくまでも再開発を実現する為の「知識」を得る為であって、この段階で特定のゼネコンが決まっているというのは、おかしくないか?
     と、ここで吠えても何の効力もないわけですが、

    北側は2億円を準備組合に立替て都市計画決定に向け検討に入りました。都市計画決定されるともう後戻りはできません。

    北千住東口地区再開発を考える会

    と書かれているのが2018/8/24と1年前。
    今はいったいどうなっているんでしょうかね。

    デベロッパーは再開発の名を借りた地上げで地域の住民から土地を奪い高層マンションを建て反対者には最後、裁判で追い出すやり方です 住宅地のど真中に高層ビルが建ったら周辺の環境、自然が破壊されます 既に電機大のビルで日当たり(洗濯物が乾かない)風害(ビル風の突風で飛ばされた)等の被害が出ている

    北千住東口地区再開発を考える会

    風害(ビル風の突風で飛ばされた)等の被害が出ている

    トップページの最後に大きく書かれた言葉は正に「心からの叫び」です。
     引き続きウォッチしていきます。

    (記*手尾広遠)

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