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再開発11/地権者たちが勉強会、協議会結成
ざっと市街地再開発の進み方
- 1. 「誰が」が再開発をしたいと思う
- 2. 近隣住民、地権者たちが勉強会、協議会結成
- 3. 準備組合結成
- 4. 都市計画決定
- 5. 組合結成
- 6. 権利変換
- 7. 住民が立退き、引越し
- 8. 更地へ
- 9. 工事着工
- 10. 竣工
- 11.地権者が新マンションへ戻る
- 12. 増床部分を分譲販売、商業利用者への契約
1.「誰が」が再開発をしたいと思う の実例を
杉並区阿佐ヶ谷、高円寺、足立区北千住の例で見た。
順番では
2.近隣住民、地権者たちが勉強会、協議会結成
3.準備組合結成
と話を進めるが、北千住〜足立区の状況を見るにつけ、
先に
4.都市計画決定を書いた。
順番を戻して、今回は「勉強会、協議会」。
1.「誰が」が再開発をしたいと思う
から、発案者が仲間に声かけて、「まちづくり」を具体化していかなくてはならない。
発案者自身、あるいは仲間に建設関係、不動産関係、法律関係に詳しい人がいればその人の知識、経験が活かされるだろう。
しかし例え、そのような人が何人かいたとしても、
再開発をしようとする対象地区の地権者全員に「基本的には」同等の知識、理解を得なくてはならない。最初は数人〜数十人の有志だけかもしれないが、勉強会をすることになる。
・自分たちの地区が「住宅地区」なのか「商業地区」なのか
・「第1種」なのか「第2種」なのか
・それに連動して日照権やらなんやら建築基準法の規制、問題
・隣接する道路の規制
・近隣に病院、学校ほか規制がかかる建物があるかないか、
・あったとしてクリアできるか
・その他関連する法的な規制、問題
・土壌、地下の問題
・建築上の検討、問題
・不動産的な検討、問題
・デベロッパーとゼネコンの役割の違い
・再開発コンサルタントの存在
・行政への手続き
・再開発を実現するための手順の理解、確認
思いつくままに書いていてもあるわあるわ、専門的にみたらこんなもんじゃ足らないだろう。そんなことを色々と勉強しながら「再開発を対象とする地区の線引き」をしなくてはならない。
適当に〇〇町一丁目というわけにもいかない。最初に書いたように、主体となるのは
「地権者」土地、建物を所有している人、であるが、
現実に「賃貸契約」で居住している人、お店をやっている人たちの意見を全く無視することもできない。一例で世田谷区ホームページの「世田谷区街づくり条例」には、
地区計画等の素案の申出をすることができます (第20条)
「世田谷区街づくり条例」より
申出ができる方
1.区域内の住民等
2.区域内の土地所有者等
3.区域内の地区街づくり協議会
申出の要件
1.原則として、道路や河川等により区切られた区域設定であること
2.区域面積が、おおむね5,000平方メートル以上であること
3.土地所有者等の2分の1以上の同意を得ていることまた、中野区ホームページの「まちづくりの流れ」では
Step 1) こんなまちをつくりたい(地区住民等の発意)
「中野区まちづくりの流れ」より
▽
Step 2) みんなで話し合いながら、まちについて考えてみる
▽
Step 3) 組織を作って活動の場を広げていく(地区まちづくり団体の設立・登録)
▽
Step 4) 具体的なまちの将来像を考えていく(まち歩き、学習会の実施 など)
▽
Step 5) まちづくりのルールを検討していく(専門家の派遣など)
▽
▽
Step 6) 地区まちづくり構想を登録する
▽ 都市計画提案
▽ 地区計画等の住民原案の申出など、行政ごとに「条例」が定められているが、
当然、ほぼ書かれている手順に大きな差はない。肝心なことは、
発意した「地区住民」が任意で集まって、進める意向が強ければ、
行政に「登録」しなくてはならない。
おそらく、同一地区で複数の人たちがバラバラの方向に向かって計画を進めているとしたら時間と千枝の無駄になってしまうからだろう。・集まって話し合う
・ある程度の人数で団体(一応協議会とする)を作る(任意団体)
・行政に登録
・行政が専門家の派遣などで協力という流れが普通のようだ。
地区住民の意向が最初から再開発に前向きならば、専門的知識がなくても、
行政に団体登録することで専門家の派遣をしてくれたり、様々な相談に乗ってくれる様だ。行政の「まちづくり条例」で説明される手順はすんなりと理解はできるが、
そもそもこのブログを始めた理由が、
・再開発で揉めている地区が結構ある
・行政の説明と異なる手順で進められている地区があるらしい
という様なことから、地権者、住民にとって一生の問題に関わることから色々とウォッチして行こうと思っているのだ。「揉めている理由」
先に一言で言うと、
「地権者・住民優先ではなく、行政・事業者優先の再開発」の場合だ。
反対運動、考える会などのホームページ、ブログなどを読めば、
必ずといってこの「地権者・住民不在」の進め方が指摘されている。
それじゃあ、イカンでしょ。
小学生でもわかる。(記*手尾広遠)